退職代行は弁護士法違反か。見解が分かれている理由を解説

退職代行という新しいサービスが生まれました。私も退職経験がありますが、このサービスが昔からあったら絶対使っています。

さて、退職代行サービスについては、その違法性について気になる人も多いのではないでしょうか。

特に気になるのは、

「退職代行って弁護士法違反じゃないの?合法なの?」

「法的問題になって訴えられることはないの?」

このような疑問について、見解をみていきましょう。

 

退職代行サービスとは?

まず退職代行について簡単におさらいをしましょう。

退職は本来、誰でも希望すればすぐできるのですが、会社を辞めたくても辞められない方ってすごく多いと思います。

また、勇気を出して退職を伝えたのに受理されず、退職できない方もいると思います。

このように、退職を言い出せない方や、退職が受理されない方に代わって、退職する意思があることを代理で伝え、無事に退職まで持って行ってくれるサービスなのです。

退職代行は弁護士法違反?2018年の見解は?

退職代行が弁護士法に違反しているのか、合法の範疇なのか、2018年現在の見解を調査しました。

結論から言うと、違法かどうか現時点では誰にもわからないです。

争点になっているのは、弁護士法第72条の見解です。

第七二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない

引用元:https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB%E6%B3%95%E7%AC%AC72%E6%9D%A1

噛み砕いて言うと、

  • 弁護士や弁護士事務所以外は、その他の法律事務を取り扱ってお金を稼いではいけません。
  • 弁護士や弁護士事務所以外は、その他の法律事務の取り扱いにおいて、交渉の仲立ちをしてお金を稼いではいけません。

 

ということを示しています。

その他の法律事務とはなんぞや、というのが以下です。

その他の法律事務とは、法律上の効果を発生、変更する事項の処理や、保全、明確化する事項の処理をいいます(東京地方裁判所平成29年2月20日判決・東京地方裁判所平成29年(ワ)第299号参照)。

噛み砕いていうと、退職の意思表示を本人に代わって伝えると、会社と労働者の「労働契約が終了する」ため、法律上の効果に該当。

そのため、(弁護士ではない)退職代行業者が、退職の意思表示を会社に伝えるということは、労働契約終了という法律上の効果を発生させる処理(その他の法律事務)を取り扱うことになるため、違法であるという見解です。

参考:中野駅前総合法律事務所、https://nakano-houritsu.com/2018/10/15/retirement-acting-service-attorney-act-violation/

 

退職代行は合法であるという意見

退職代行はあくまで退職の意思を代弁しているだけで、弁護士法72条には該当しないという見解もあります。

 

小澤亜季子弁護士(東京弁護士会所属)

弁護士ではない退職代行業者に依頼した場合、退職の意思を伝えるなどの伝言はできますが、以下の交渉はできません。

×会社から損害賠償請求された場合の、会社との交渉
×最終月の給与、有休消化分の給与、残業代、退職金、パワハラ慰謝料の請求

引用:小澤弁護士、https://taisyokubengosi.hatenablog.com/entry/2018/08/10/074635

 

某テレビ番組(行列のできる・・・)でも弁護士が複数いますけど、同じ事例でも見解が全く異なりますよね。

判例があれば答えは1つですが、今のところ退職代行サービスが原因で裁判になった例がありません。

そのため、誰もはっきり答えることはできないのが現状です。

そのため、不安な方は退職代行を行なっている弁護士に依頼してもいいですし、そこまで気にならない人は、退職代行サービス業者さんにお願いしましょう。

まとめ

退職代行業者が退職代行を行うことは弁護士法違反なのかについては、確たる見解はないのが現状です。

実名を公表して顧問弁護士さんが監修しているところもたくさんあるし、私は過度に心配しなくても良いと思います。

この先、万が一、違法という見解が出たとしても、退職代行業者さんが罰金を払うだけで良いと思いますし。

会社のせいで身体や心を壊すことはもったいないです。

退職をしたい方はすぐに行動し、自分の貴重な人生を有意義に過ごすようにしましょう。世の中には仕事はたくさんあるし、あなたに合う職場はきっとありますから。