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退職代行は引き継ぎなしで可能?損害賠償の実例を弁護士に聞いてみた

退職代行が気になる人
退職代行を使いたいけど、引き継ぎなしでも辞められるのかな。訴えられたりしないか心配・・・

 

退職代行を使う時には、引継ぎはしなくても良いのか、気になる方も多いと思います。

 

結論から言えば、退職代行を使うときは、引継ぎなしで退職が可能です。

 

ただ、引き継ぎをしないことによるリスクも4つ考えられますので、できるだけ引継ぎはしておいた方が無難です。

 

退職代行は引き継ぎなしで退職できる

悩む女性2

退職代行を使うときは、引き継ぎなしで会社を辞めることができます。

 

退職代行業者に話を聞くと、長時間労働、違法残業、パワハラなど、労働環境が劣悪で、対面で引き継ぎすることは困難なケースも多く、引き継ぎなしで即日退職することも多いそうです。

 

気になるのが、辞められたとしても、引き継ぎをしなかったことで会社から訴えられたりするのではないかと気になると思います。

 

しかし、退職時の引き継ぎは、法律で決まっているのでしょうか?

退職時の引き継ぎは法律上の義務ではない

実は、退職時の引き継ぎは民法や労働基準法などで定められた義務ではありません。なので、引き継ぎをしないことが理由で退職をしても、法律上罰せられることはありません。

 

多くの退職代行サービスの事例を調査したり、取材したりしましたが、訴えられるなどの法律上のトラブルになったことは1件もないそうです。

 

しかし、法律上の義務はなくても、信義則上の義務とされていますので、「常識的には引継ぎはした方が良い」と考えられています。

 

個人的にも、会社はともかく同僚に迷惑をかけるのは申し訳ないので、引き継ぎはすべきと考えます。引き継ぎをしないで退職すると、以下のようなリスクが出てきます。

 

退職代行で引き継ぎしないときのリスク

退職代行での失敗・トラブル・後悔をインタビュー形式で解説

引き継ぎをしないときに考えられるリスクについては、以下が挙げられます。

①損害賠償請求されるリスク

引き継ぎしないこと自体が法律違反となることはありません。

 

ただ、引き継ぎをしないことによって会社に不利益を与えた場合は、非常にレアなケースですが、損害賠償請求されるリスクがあります。

 

以下は、退職代行による事例ではないですが、突然の退職により、引き継ぎをせずにやめた労働者に対して、損害賠償70万円が成立した事件です。

 

ケイズインターナショナル事件(H04.09.30東京地判)

【事案の概要】
(1) Y社は、A社と結んだ期間3年のビルインテリアデザイン契約を履行するため、常駐担当者Xを新たに採用し配置した。ところが、Xが、入社間もなく病気を理由に欠勤し辞職したことから、A社との契約は解約された。そこでYは、1,000万円の得べかりし利益を失ったとして、Xと交渉の上、月末までに200万円を支払う旨の念書を取り付けた。しかし、これが履行されなかったため、その履行を求めて提訴したもの。
(2) 東京地裁は、ⅰ)経費を差し引けば実損額はそれほど多額ではないこと、ⅱ)労務管理に欠ける点があったこと、ⅲ)Xの対応にも問題があることなどを勘案し、3分の1の70万円と5分の遅延損害金の支払いを命じたもの。なお、判決は、確定した。
【判示の骨子】
(1) 得べかりし利益は1,000万円であっても給与や経費を差し引けば実損額はそれほど多額にはならない、
(2) 紹介者の言を信じたのみでXの人物、能力等をほとんど調査しないなど採用に当って、Y社側にも不手際があった、
(3) 期間の定めのない雇用契約は一定期間を置けばいつでも解約できることから月給者であるXに雇用契約上の債務不履行を問えるのは当月月末までであること、
(4) XがYに、根拠のない非難を繰り返すのみで、話し合いによる解決をかたくなに拒絶していること等を総考慮すると、200万円の約3分の1の70万円に5分の遅延損害金の支払いを命じる。

引用:厚生労働省 労働条件に関する総合情報サイト

 

この事件の場合は、「労働者Xさんの退職」が「会社の損害」に直結したことが認められたため、損害賠償70万円の支払いが命じられました。

 

しかし、退職時の引き継ぎ不十分が原因で損害賠償請求をしても、会社が裁判で勝つのは非常に難しいとされています。

 

というのも、「引き継ぎをしていないこと」と、「会社への損害」との因果関係の立証が非常に困難だからです。また、損害金額の算出や立証も難しく、会社側にメリットが少ないためです。

 

さらに、補充人材を確保する必要もあり、1人の人間が辞めたことに言及する時間がないというのも現実。

 

このように、裁判で勝訴する難しさや、裁判の手間や費用を考慮すると、引き継ぎなしで辞めたところで訴えられるリスクはかなり低いと考えられます。

 

ただ、退職代行を使うことで車で追いかけられたり社員全員が家におしかけたりというトラブルは過去にあったようですので、トラブル事例には目を通しておくことをオススメします。

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②退職金の減額リスク

損害賠償リスクよりも注意したいのが、引き継ぎ不十分に対して退職金が減額されるリスクです。

 

会社の中には、就業規則に、以下のような規定が盛り込まれているところもあります。

  • 引き継ぎ不十分の場合は退職金を支払わない(あるいは減額する)

 

詳しくは、関連記事にて説明していますが、退職金については労働基準法で決められた義務ではないので、受け入れざるを得ません。

 

近年は、退職代行で突然辞める方も増えているため、就業規則にこのような規定を盛り込む企業が増えていくと予想されます。

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③引き止めのリスク

退職代行を使うときは、会社から「引継ぎだけでもしてほしい」と協議を持ちかけられる可能性が高いです。

 

職場環境が悪く、心身に不調をきたしている場合は、応じる必要はないと思いますので、退職代行業者にお願いして伝言してもらいましょう。

 

ただし、「なんとなく自分で退職を切り出すのが嫌だったから」という方は、簡単な引き継ぎ書を作ってメール等で送ることをオススメします。

 

④懲戒解雇リスク

退職代行で辞めたときは、通常は自己都合退職で処理されます。しかし、引き継ぎをしないで辞めた社員に対して、会社が報復として懲戒解雇を適用するリスクが考えられます。

 

たしかに、弁護士の退職代行のホームページを見ると、以下のような説明がよく見られます。

<解雇になるリスク>

退職代行で辞められたものの、一般業者が弁護士法72条に抵触する業務を行っていたことが後に発覚。退職が無効になり、無断欠勤の連続となる。これは懲戒解雇になり得る。

 

しかし、退職代行を利用したことが原因で、懲戒解雇になるリスクはほぼゼロだと考えます。

 

まず、労働者に関する法律は、立場の弱い労働者を守り、立場の強い会社の権利濫用を防ぐようにできていますので、懲戒解雇をすること自体が非常に難しくなっています。

 

懲戒解雇になるのは、極めて重大なことをした場合で、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 業務上の地位を利用した犯罪行為をした場合
  • 会社の名誉を著しく害する重大な犯罪行為
  • 経歴の重大な詐称
  • 長期間の無断欠勤
  • 重大なセクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメント
  • 懲戒処分を受けても同様の行為を繰り返す

引用:懲戒解雇になり得る7つのケースと懲戒解雇された時の対処法/労働問題弁護士ナビ

 

このように、重大な犯罪級のことを犯さないと懲戒解雇にはなりません。

 

社労士の山本氏もこのような見解を出されております。

懲戒解雇は就業規則の中でも最も重い制裁規定で、明らかに違法行為を行ったなど、社会常識からみてもなるほどと誰もが納得できるほどの合理的な理由がない限りは認められません。・・・中略・・・ちなみに、退職時に引き継ぎをしないことを理由に懲戒解雇とすることはまず認められません。

引用:退職時に引き継ぎをしない社員にどう対応するか?/特定社会保険労務士 山本多聞

 

なので、退職代行を利用して懲戒解雇というストーリーは、弁護士が一般業者のサービスを奪うための過剰に不安をあおる行為に過ぎないかと思います。

 

退職代行で損害賠償請求された例があるか業者や弁護士に聞いてみた

実際に、退職代行で辞めたときに、損害賠償請求があった例はあるのでしょうか。

有名な退職代行であるSARABA、弁護士法人みやびに聞いてみました。

 

まず、SARABAです。

損害賠償や懲戒解雇について SARABA

 

次に弁護士法人みやび弁護士事務所の回答です。

損害賠償や懲戒解雇について 弁護士法人みやびの

どちらの退職代行でも、今のところ1件もないと言うことでした。

 

特にSARABAは3000件以上の依頼をこなして1件もないということは、懲戒解雇や損害賠償のリスクは限りなく低いと言えそうです。

 

退職代行をより安全に実行する方法

とは言え、少しでもリスクがあるのは不安というあなたのために、退職代行を使う際に、より安全に、訴えられるリスクを減らす方法として以下、2つをご提案します。

 

引き継ぎ書を作り郵送やメールで送る

対面で引き継ぎするのではなく、引き継ぎ書をあらかじめ作り、退職代行業者を通じて送ってもらうか、郵送や電子メールで送る方法です。

 

会社に直接行かずとも、重要事項をまとめた引き継ぎ資料があれば、大抵の場合、事足ります。

引き継ぎメモは、エクセルやワード等で、以下のことを羅列しておけば、ほぼ問題なしです。

 

  1. 仕事内容
  2. 進捗・問題点
  3. 関連ファイルの保存場所

 

私の経験上、引き継ぎ書類を詳細にまとめたところで、ほぼ読まれないです。

引き継ぎ書を見るよりも、関係者に聞いた方が早いためですね。

 

私がサラリーマン時代のときにも、退職した方が2名いましたが、引き継ぎ書類はほとんど読みませんでした。

 

とは言え、引き継ぎ書があるのとないのでは、会社と裁判官の心証も変わってきますので、リスクは減ると考えられます。

 

弁護士に退職代行を依頼する

もう1つの方法は、弁護士の退職代行に依頼することです。

 

弁護士が交渉すれば、会社が損害賠償でいたずらに脅すことはなくなりますし、万が一損害賠償請求があった場合も、裁判の相談が可能です。(もちろん別途費用がかかりますが)

 

一般的に、弁護士の退職代行は対応が遅いところが多いのですが、弁護士法人みやびという弁護士事務所は対応が速くオススメです。

 

常に15分以内に返信してくれたので、悩みが即解決しますし、料金も一般の退職代行と変わらない5万円ほど。

 

しかも、相談はいつでも何度でも無料です。

まとめ

  • 退職代行で引き継ぎなし退職は可能
  • 訴えられるリスクはほぼない
  • リスクが怖いなら弁護士や労働組合に依頼する

 

弁護士にお願いするなら、弁護士法人みやびが対応も速く、丁寧なのでオススメです。

 

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